(DraftSight) エンティティ選択時のコンテキストメニューで移動や回転するときのアクセスキーを変更する
はじめに
AutoCADからAutoCAD互換CADに乗り換えたときに、見た目はだいぶ本物に近づけてあるのですが、よくよく見るとキーボードで操作するときの割り当てられているアクセスキーが異なっていることがあります。私は個人的にDraftSight Professionalを契約していますが、非公式ながらこのアクセスキーを変更する方法を見つけましたので紹介したいと思います。
注意点・免責事項
この記事で紹介する方法は非公式なものです。使用にあたっては自己責任でお願い致します。この変更によって生じたいかなる損害や損失についても当ブログでは一切の責任を負いかねます。宜しくお願い致します。
変更するコマンド
AutoCADで「オブジェクトを選択して移動」をする場合、私の場合は「オブジェクト選択→右クリック→アクセスキー M で実行」していますが、DraftSightではアクセスキーの割り当てが V になっています。私が図面を描く上で一番操作が多いのがこの「オブジェクト選択からの移動、複写、回転」です。そのため、今回はここを重点にキーを変更してみます。
オブジェクト(エンティティ)選択時のコンテキストメニュー
AutoCADの場合
DraftSightの場合
※画面で Shift が シフト になっているのは 2020からのバグです。修正されていません。
参考:AutoCAD・互換CADのアクセスキーの例
コマンド | AutoCAD | IJCAD, ZWCAD | BricsCAD | ARES, CorelCAD, DraftSight |
---|---|---|---|---|
移動 | M | M | M | V |
複写 | Y | Y | C | Y |
尺度変更 | L | L | S | A |
回転 | O | O | R | R |
カスタマイズするファイル
カスタマイズするファイルおよび格納場所は以下の通りです。
# 最新バージョンが 21.1.2060 の場合 %APPDATA%\DraftSight\21.1.2060\UI\japanese\application.xml # application.xml : 文字コード UTF-8 with BOM / 改行コード CRLF # なお、カスタマイズする前に必ずバックアップを取って下さい。
カスタマイズ箇所
上記のファイルを任意のテキストエディタで開き、以下を参考に修正して上書き保存します。
<!-- context_menus セクション > メニュー編集 > 移動, コピー, 尺度, 回転 --> <context_menus> <menu definition_ref="" name="メニュー編集" type="3" UID="PM_0007"> <menu definition_ref="ID_MOVE" name="移動(&V)" UID="PMI_404" /> <menu definition_ref="ID_COPY" name="コピー(&Y)" UID="PMI_COPY" /> <menu definition_ref="ID_SCALE" name="尺度(&A)" UID="PMI_405" /> <menu definition_ref="ID_ROTATE" name="回転(&R)" UID="PMI_406" /> <menu definition_ref="" name="表示順序(&O)" UID="PMI_411"> <!-- 以下のように変更する 移動(&V) → 移動(&M) コピー(&Y) → 複写(&Y) 尺度(&A) → 尺度変更(&L) 回転(&R) → 回転(&O) 表示順序(&O) → 表示順序(&W) ※その他、変更したいものがあれば同じように変更する -->
カスタマイズ結果
カスタマイズした結果、メニュー文字列やアクセスキーの表示が変更されています。もちろん、表示だけではなく対象のキーで操作が可能です。
※下の例では、上記の箇所以外も変更してあります
おわりに
もう1年以上前になりますが、これを発見したときは「まさかこの文字列を修正するだけで動くわけないよな……」と思ったのですが、本当に動いてしまって驚きました。その後ずっと使っていますが、不具合は発生していません。バージョンアップした後もそのまま引き継がれてました。
また、試してはいないのですが、恐らくARESやCorelCADでも同様の操作は可能かと思われます。